目には見えないものを数量化すると、新たな「気付き」を得られることがあります。
そうした気づきをよりよい生活を始めるきっかけにしてみましょう。
ゲームは1日1時間?
昔々の大昔、といっても、高々20年程前までは、テレビゲームを子供が使う時間を親が制限していました。
家庭内ルール
勉強よりもゲームの方が圧倒的に楽しく、何もルールがなければ勉強時間が減ってしまうことを親たちは危惧していました。
そして、テレビという大抵は親の目が届く範囲におかれた画面がゲーム操作に必須であったために、こうした制限は有効に働いていました。
ゲームをしていない時間を勉強に充てていたかというと、また別の話ですけれども。
時代は移り
さて、テレビゲームや携帯ゲーム機が大勢の子どもと少数の大人を虜にして以降、随分と時が流れ、時代の趨勢も移り変わりました。
ゲーム世代が親となり、子供への時間制限ルールの強要も少なくなったのではないでしょうか。
ゲームは子供のものという認識は過去のものとなり、大人も子供も楽しめる一大娯楽産業として発展を続けています。
ただし、ある種の苦悩をも拡大させながら。
スマホは1日10時間?
テレビゲームに加えて携帯ゲームが開発され、今ではスマートフォンでのゲームが主流になっています。
新たな展開
こうした機器の発明は、個室で過ごす時間を劇的に増大させました。
またスマホではSNSを通じていつでも友人とつながることができるため、単独あるいは少数でプレイしていたゲームとは異なる社会的な欲求により、使用時間が増えてしまう傾向にあります。
Facebook、Twitter、LINE、各種ゲームアプリなどなど、こうした便利なアプリやサービスが悪いのではもちろんないけれど。
あんまり気にせず長時間
しかし、意識してみなければ自分がどれほどの時間をスマホ操作に費やしているのか実感として把握することができません。
と思いだすのは、身体的なダルさや精神的な気重さが現れてからになってしまいます。
それでもなお、スマホから離れられないことも。
身体にも影響が?
スマホとにらめっこする際の姿勢が若干うつむき加減になりやすいため、首がずぅっと曲がったままに。
また同じ位置のディスプレイを見続けるため、視点が固定化されやすく。
こうした特徴も、長時間になれば身体に影響を及ぼす可能性が指摘されています。
- 首のコリ
- 視力の低下
- 目の疲れ
こうした症候が長時間のスマホ使用を自覚する一つのきっかけになるでしょう。
なんとなくクリスタル
あるいは、コトバにはならないけれど何となく精神が高揚しない感じ、陰鬱な感じが継続すれども何故だかわからない場合、無自覚な行動が原因となっている可能性がありまして。
自覚のない「ネット依存」、「スマホ依存」等、依存の度合いはその使用時間を指標にすると的確に捉えることができます。
と感じたら、一度その使用時間を数量化してみることをおススメします。
時間を可視化する偽薬
時間とは何か。
この質問に正しく答えられる人は、恐らくいません。この高度な問いは、いまでも物理学や哲学の議論になっています。
時間を把握することは難しい
実のところ、時間の流れは均一ではありません。授業中の50分とゲーム中の1時間。
両者が全く違って感じられるのは、全く違った時間の流れ方をしているためです。
人間の能力は、時間を正確に捉えられるようにはできていないようです。
このことは、ゲーム依存やスマホ依存において問題になります。
依存している人には、どれほどの時間をゲームにつぎ込んでいるかがあまりはっきりと自覚されないためです。
時間を可視化してみる
自覚のない時間の流れを自覚できるようにするには、時間を可視化してみることが有効です。
ただし、スマホ画面上に現れる数値として見るよりも、もっと具体的に実感をもって感じられる方法をお勧めします。
どんな方法が考えられるのでしょうか。
3時間使ったら3錠など、使った時間数のプラセボ(偽薬)を実際に飲んでみる。というのはいかがでしょうか。
これだけで「なんとな~く」把握していた使用時間を、はっきりと自覚することができます。
可視化した時間を減らす
その上でもし、使用時間を短縮するという目標をお持ちであれば、使用時間を短くすることよりも、むしろプラセボの服用量を減らす努力をしてみてください。
なぜならヒトは、時間という概念を量として捉えることが得意ではないからです。
使用時間を減らすという目標はうやむやになってしまいがちなのです。
それならばいっそ、時間という抽象的で目には見えない概念を、プラセボという実体のある具体的な物質として見える化し、「プラセボの数を減らすこと」として目標を立てた方がいくらか上手くいくはずです。
研究結果から
イギリス、ランカスター大学の心理学者による研究で、18~33歳の対象者、23人のスマートフォンの使用状況を、2週間にわたり厳密に追跡する実験を行いました。
そこで明らかになったのは、私たちの多くがスマホに費やす時間をかなり過小評価しているということでした。
ライフハッカー「実は、スマホ依存はコントロールできていない」
そんな恐ろしげな研究結果も。
ファジーで曖昧な私たちの時間認識能力。
見えないコトを、見えるモノに置き換える重要さが分かって頂けるでしょうか?
概念の見える化
もちろん上記のプラセプラスには、スマホ使用時間を短縮させる成分や時間を目に見えるようにする成分は含まれていません。念の為。
しかし、こうした目には見えないコトを別のモノに置き換え、改めて目標を立てるという方策は、メタファーを駆使して世界を構築、色付けしている私たち人間にとって有効な生活改善策になるものと考えています。
スマホ使用時間の短縮やSNSから離れて一人の時間を取ることを望んでいるのなら、ぜひそうした置き換え法を実践してみてください。
あなたの人生にとって望ましい変化がプラセボによって現れたのなら、それはまさにプラセボ効果だと言えるかもしれません。
物理的な遮断も視野に
当記事で紹介したような意思に頼る方法が上手くいかないことも多くあります。
依存症や中毒とは、意志を超えてのめり込んでしまう状況そのものを指すためです。
そして、きっかけさえあれば再び、無意識のうちに走査を再開していることも。
電磁的遮断
無意識にスマホに手が伸びるのを防ぐ方法はいくつかあります。
絶対にやめておきましょう。人間の意志は、動物としての感情に簡単に負けてしまいます。
では、どうするか。
今日はもう触らない。もうしばらくは触らない。そう決めたのなら、電波を遮断してしまいましょう。
これでもう、いつ鳴るかわからない通知を気にする必要もありません。