閉眼片足立ちトレーニングは基準値や平均値を超えて

「閉眼片足立ち」はご存知ですか?

  • 閉眼 → 目を閉じて
  • 片足立ち → 片足で立つ(片足は地面から離しておく)

つまり、「目を閉じた状態で片足で立ち、何秒間キープできるか」という運動機能の簡単なテストです。

このテストの素晴らしさは、再現性の高さにあります。

できない人は、すぐにフラフラとして耐えることができません。逆に得意な人は、何度でもゆうゆうと3分間以上持ちこたえることができます。

基準値や平均値に捉われる必要はありません。あなたのバランス感覚を伸ばすことに主眼を置いて、早速実施してみましょう!

そもそも、ヒトは片足で立てるのか?

実は、ヒトは足裏の3点を意識することで他の霊長類より容易に片足で立つことができます。姿勢や体癖によってこの3点にかかる体重のバランスは異なりますが、片足で立てないことはありません。

まずは、「片足立ちできる!」と信じてみることから始めましょう。

目を閉じても目を瞑っても目をつむっても目をつぶっても瞳を閉じても!

できるできるできるっ!

この広き世界で、片足立ちし得る者

atti69 / Pixabay

そもそも片足立ちが得意な動物は、フラミンゴか、霊長類ヒト科ヒト属のホモ・サピエンス。

つまり、ヒトである「あなた」は、地球上にたくさんの動物がいる中で、そもそも片足立ちが得意な生き物なのです。

ほら、もう既に片足立ちできる気がしてきたでしょう?

片足立ちのできる動物たるヒト。これを目をつぶってでもこなしてしまえる飛び抜けた平衡能力を信じてみましょう。

バランス感覚(平衡感覚)を思い出しましょう

閑話休題。

まず、目を開けたまま

もし片足立ちなど、バランス感覚が要求される運動をしばらくやっていない場合、いきなり「閉眼片足立ち」をするのは危険かもしれません。

開眼片足立ち」で、一度目を開けた状態で片足立ちし、30秒程度は持ちこたえられることを確認された方が良いかと思います。

目を開けていても片足では全然立っていられないのなら、姿勢が悪いのかもしれません。

以下の図を参照し、まずはできるところから。

  • 腰に手を当てずに片足で立つことはできますか?
  • 目を閉じても立っていられますか?
  • 腰に手を当てて片足で立ち、目を閉じてその姿勢をキープすることはできますか?

「よしよし、案外できるじゃないか」という実感が得られたら、さぁ実験を開始しましょう!

プラセボ実験

さて、当記事は偽薬(プラセボ)を用いた実験例を紹介することに主眼をおいています。

偽薬とは、有効成分を含まないクスリのニセモノのこと。プラセボ製薬株式会社では「プラセプラス」の名称で偽薬を販売しています。

これを飲んだ時と飲まなかったとき、それぞれで閉眼片足立ちの成績がどれほど変化するかを確かめる実験です。

プラセボを使った実験(2人用)

自分以外の誰かに対してプラセボ実験を行う場合、することは簡単です。

まず実験者は、被験者に「閉眼片足立ち」させ、何秒耐えられたかを記録します。

次に、できればプラセボであることを伏せつつ、以下のように言って飲んでもらいます。

これね、三半規管に働きかけて、平衡感覚を鋭敏にしてくれるんよ

そして、もう一度、「閉眼片足立ち」させ、記録を採ります。

そして、「どう?飲む前と何か変わった?」と偏りのない表現で訊いてみてください。

もしかすると、あなたの人生で初めてプラセボ効果を実感している人と対峙することになるかもしれません。

プラセボを使った実験(1人用)

1人でプラセボ実験を行う場合、上記のような嘘の効用は使えなくなってしまいます。

この場合、最初の「閉眼片足立ち」テストで時間を測定した後、以下のように思いながら偽薬を飲み、2回目のテストに臨むと良いようです。

“あなた”なら、もっとできる!

自分自身に対して二人称で呼びかけて、仮想の他人を設定することで、一人称を用いた際とは違った感覚を得られるという心理学的な効果があるとされているためです。

  • 二人称:あなた
  • 一人称:わたし

注意点

もしかすると、この実験に対する以下のような疑問が思い浮かぶかもしれません。

2度目の「閉眼片足立ち」で被験者の記録が伸びたのは、1度目の練習成果が活かされたからではないか?

全くもって、その通りです。

そして実に、この疑問が「プラセボ効果」を扱う実験すべてに付きまとう根源的な問いなのです。

そこで、多くの科学実験では被験者の数を増やし、統計的に差が見出されることをもって「プラセボ効果」やその他の効果を測定します。特定のだれか一人に対して「プラセボ効果」を証明することは、簡単ではありません。

よってここではより簡単に、被験者の実感に基づき「プラセボ効果」を測ることをオススメしています。実際に閉眼片足立ちの記録が伸びるならば、素直に喜んでおこうというわけです。

※もし溢れんばかりの知的好奇心を持て余す研究熱心な方がおられましたら、ぜひこの「実験法」自体を改善・改良して取り組んでみてください。

補足:プラセボを使わずに記録を伸ばす方法

「閉眼片足立ち」は日々の継続的な練習によっても、その記録を伸ばすことが可能です。以下に簡単なコツを示しておきますので、ご参考まで。

  • 自分の身長分くらい先の地面を見る感じでうつむく
  • 立つ脚のひざ裏はピッと伸ばす
  • ゆっくり呼吸を心掛ける
  • 軸足(=片足立ちが得意な足)を知る
  • 日々継続的に練習し、たとえ時間が延びなくてもその日の記録を付ける
  • 目を閉じた際、木のようなしっかりと一本筋が通ったものを想像する(と決めておく)
  • 「あなたにはできる、10分間くらいできる」と信じる
  • フラフラに足裏の「面」で耐える感覚を身に付ける

片足立ちはバランス感覚を養って歩行など日常動作での転倒を防止するだけでなく、趣味の山登りやヨガ、ゴルフ、ゲートボール、ダンス、速歩、ウォーキング、ジョギング、マラソンなどにもその効用を示します。

健康寿命を伸ばすため、少しずつ閉眼片足立ちの練習を始めてみませんか?

★年代別基準値(簡易版)

どうしても閉眼片足立ちの基準値が気になってしまう方は、以下の表をご覧ください。

※当図表上の数値は男女の性差等を考慮しない簡易版としてWEB上に出回っているものであり、出典(いつ、どこで得られたデータか)は現在のところ不明です。より詳細な基準値としては、日本健康運動研究所が公表している「労働者の測定値」がありますので、気になる方はご参照ください。

もちろん、これらの数値にこだわる必要はありません。

日々の継続的な練習と、それに伴う記録向上は確実にあなたのバランス感覚を養ってくれます。

偽薬にはバランス感覚を増強する何らの成分も含まれておりませんが、あなたが「できる」と信じる助けになるならばこれ以上嬉しいことはありません。

まず、今すぐにでも、形にこだわらずに片足立ちしてみる。そういったココロのフットワークの軽さと実験的好奇心を呼び覚ますきっかけに。

求ム!最長記録!

Twitterでこんな報告がありました。

これを越える猛者どもよ、報告を待つ!

トレーニングのススメ

片足立ち、その記録に一番重要な平衡感覚を鍛える器具が販売されています。ボディーラインが引き締まる副次的効果もありそう。

ぐるぐると不安定な台の上に乗り続けるには修練が必要ですが、トレーニングにはもってこい。

体幹を鍛え上げることで「ブレない身体」を手にすることもできるでしょう。

プラセプラスと運動習慣

「プラセプラス」を飲んだら、記録が伸びた!とか、「プラセプラス」を毎日飲んだあとに片足立ちの練習をすることで日々の運動習慣をつけることができた!、みたいな感想もお待ちしております。

※『プラセプラス』にはバランス感覚を向上させるいかなる成分も含まれておりません。念為。