「ハグビー効果」で好きになる?心理的な美人抱き枕が販売中!

『ハグビー(hugvie)®』をご存知でしょうか?

アンドロイド研究で有名な石黒浩氏が考案し、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)で開発され、2015年9月現在、(株)京都西川で店頭販売されている抱き枕型通信メディアもとい存在感伝達メディア『ハグビー』は、頭と胴と両手っぽいものを感じさせる抱きクッションです。

抱くとしっくり…以上の効果があるそうで。

抱いて HOLD ON ME!

モー娘。の名曲はさておき、テレビ番組『マツコとマツコ』で紹介されるなどで益々人口に膾炙しつつある『ハグビー』。

『シブすぎ技術に男泣き!』(中経出版)で有名な理工系漫画家、見ル野栄司氏が週刊ポスト誌上で連載中の『「スゴ技カンパニー」調査室 File 66』では、ATR石黒浩特別研究所でテレノイドや『ハグビー』の調査取材の状況が楽しく描かれています。

それは、錯覚?

『ハグビー』をギュッと抱きしめながら、装着されたスマートフォン・携帯電話を介して女性の声で親密に話しかけられると、男性はこう思ってしまうそうで。

美人だ!

ってかもう、大好きだ!ハグミー、ハグヴィー!!

男女の会話に存在感伝達メディアを介在させると、行為…もとい好意が生まれるこの効果。プラセボ製薬としては、プラセボ効果研究に一石を投じる重要な現象と考えます。

医師と患者の会話に偽薬(プラセボ)という存在感伝達メディアを介在させると治癒が生まれるこの効果・現象を「プラセボ効果」と呼ぶならば、ハグビーが生み出すこの効果は「ハグビー効果」と言っても良いのではないだろうかと。

今のところは錯覚の一言で片づけられています(もしくは、一般用の説明として採用されています)が、アンドロイド研究の第一人者たる石黒浩氏も最終的な目標として据えられている人間理解において、感覚の研究はとっても大切に思います。

映画の世界でも

アンドロイドや人工知能、AIは最近のトレンドとしてよく映画の題材にもなっています。

『her/世界でひとつの彼女』では、人工知能型のOSと付き合う人々の姿が描かれます。

どうしてだかこう言う題材を描く際には、男性が人間の女性に似せられた何かに心惹かれる話がメインになる傾向があるような。ボーカロイドの初音ミクもそうですし、この映画でもそう。男女差や性差も人間理解を深める上で非常に面白いテーマですが、ここではさておき。

スマホ型の端末とVR技術が登場する『her』では、当意即妙な受け答えをするAI型のOS“サマンサ”に恋をする手紙代筆会社勤務の男が描かれます。イヤフォンから聴かれる声、カメラを通じて同じ世界を見る悦び、テレフォン・セ○クス…。

次第に互いの触れたい欲求を満足させようとするサマンサが代行ボランティアに申込んだところから、2人にすれ違いが生じます。

サマンサは、日本語が不得意だったのかもしれません。日本には精巧なラブドールもあれば、『ハグビー』もあったというのに…!

深夜の『ラブドール特集』がいろいろヤバイ「奥が深すぎる」と話題に – Togetterまとめ

期待と予測と現実と

現実とは何か?をよくよく考えだすと、様々な疑問にぶち当たります。

純粋に客観的なものをそのまま感知・感得できないヒトにとって、予測や期待は現実を歪め、未来を変化させるチカラをも持っているように思われます。

先の『「スゴ技カンパニー」調査室 File 66』において、石黒浩氏はこう語っています。

予測において人間はポジティブになるんです!だから美人に感じるんです。それに人間の感覚は結構いい加減で、声と触感の2つがあると相手の存在を強く感じることができる。それをテレノイドで研究してきました。

医療におけるプラセボ効果もまた、そうした人間の予測におけるポジティブ特性に依っているのかもしれません。

介護現場への応用

人の存在を感じさせ、コミュニケーションを成立させる『テレノイド』には、介護現場への応用も進められています。

遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」、高齢者向けサービスとして事業化 – PC Watch(2015/7/13)

認知症の高齢者が『テレノイド』を抱きかかえて会話をすると情緒安定効果等がみられるそうで、ロボット技術は介護分野へも進出しています。

ハグビー購入

『ハグビー』は2015年9月現在、Amazon、楽天等のインターネット通信販売で買うことは出来ませんが、京都西川の店頭にて子どもサイズが8,000円、レギュラーサイズが1万円(いずれも税抜価格)で購入することができるようです。

ピンク、グレー、イエローの3色展開。人肌に近づけたカバー生地が抱きたい欲求を刺激する『ハグビー』の詳細は、以下のサイトでご確認ください。

公式サイト ぎゅっとコミュニケーション Hugvie(ハグビー) »