ウソはお好きですか?
ウソはお上手ですか?
息を吐くように嘘がつけたら…と願う人はそれほど多くないでしょう。嘘を吐くのは倫理的によろしくないし、その場しのぎの嘘で逃げても結局のところ自分の首を絞めることになりかねないため、できれば避けたいもの。
しかし、鬼ばかりの渡る世間において嘘がどうしても必要になる場合があります。
勧誘営業電話にご用心!
お昼前にちょっとリビングでテレビを見ていたら、電話がかかってきた。誰かしら?と思いながら受話器を取ると、
ふっと一息ついてテレビに戻り、しばらくしてお茶を飲もうと台所に行ってみると、かつて話題になり今ではすっかり忘れ去られた健康食品の数々が所狭しと並んでいます。月々の支払がいくらになっているのかは、よくわかりません。
断れないひと
- 健康食品
- 光回線
- 投資マンション
- 未公開株
- etc
強引な、あるいは周到な勧誘営業電話が後を絶たないのは、ひとえに「売れてしまうから」に他なりません。
売れなければ、人に迷惑をかけ嫌悪感を与えてまで電話で営業する意味はありません。ただただ売れるから、売れてしまうから、勧誘を続けているに過ぎません。
勧誘の電話がかかってきた際、受け手にできることはたったの2つだけです。
- 勧誘を断り、電話を切る。
- 勧誘にのり、電話を切る。
「断る」ことが出来なければ、あとは営業に乗っかり契約の話を進めるしかありません。電話営業の存続には、断れない人の存在が不可欠です。
断ることは、嘘を吐くこと?
勧誘電話の話し手は、入念に練られたスクリプトと経験に基づくクロージング・スキルを用いて「断れない」流れに会話を持って行こうとします。
その要諦は、ウソをつかせないこと。
嘘をつくことは倫理的に許され難いという顧客の良心を利用し、投げかける質問に対して「YES」と言わせるように流れが事前に設定されています。
勧誘業者は、ウソをつくことが本能的なストレスに繋がることをよくよく知り尽くしています。
嘘を吐くことは、ストレスになる?
ウソ発見器という機械が映画やドラマで用いられることがあります。指先、腕、胸、腹に端末を付け、皮膚電気抵抗や脈拍を読み取ってウソの兆候を見抜く。
どうしてこれで嘘が分かるのでしょうか?
それは、生理的なストレス反応の結果として電気抵抗や脈に変化がみられるためです。嘘をついている人は目が泳ぎ、掌に汗をかき、そわそわと落ち着きがなくなる。こうした行動は闘争・逃走反応とも呼ばれる、ストレスが生じた結果です。
嘘発見器は、嘘を吐くことが生理的なストレスになることを上手く利用した機械です。
電話勧誘業者もまた、あなたが嘘を吐くというストレスから逃れる道をしっかりと用意して、契約へと導いてくれます。
いずれにせよ、ストレスは溜まる
電話営業が迷惑かどうかは、価値観に依ります。が、大抵の場合は大変迷惑ですので、かかってきた電話が営業勧誘の類だと分かった瞬間に話の流れをぶった切って「迷惑だから、二度と電話しないでね」と一言、ガチャッと切ってしまうのが良いようです。
断るとき、すなわち嘘をついて会話の流れを一方的に切る際にストレスが生じますが、仕方がありません。
断らないとき、その契約は後々の慢性的なストレス源となる可能性を孕んでいます。もちろん、人生を豊かにしてくれる可能性だってありますが。
いずれにせよ、ストレスを回避することはできません。
認知症介護でも、ウソつきストレスが問題になる?
在宅介護の大変さの一端もまた、この嘘を吐くことのストレスが関わっています。
特に認知症を発症すると物事の理解に齟齬が生じるにも関わらず当人に言って聞かすことが難しいため、介護者の家族が折れる(=嘘を吐く)場面が多発します。
世話が必要になったらお互い様ねと言っていた夫・妻、しっかり者だった父親・母親、大好きだったおじいちゃん・おばあちゃん。それぞれにウソを吐かなければならない場面が訪れるかもしれません。
そのたびに手に汗を握り、脈拍や呼吸が乱れ、血圧が変動し…。
「プラセプラス」との付き合い方次第では、この負担を軽くすることができるかもしれません。
プラセボ製薬のプラセボ
プラセボ製薬では、認知症高齢者の「薬の飲みすぎ・飲みたがり」に対して介護用偽薬を上手く利用することで、つまりは適切にだますことで介護の負担を軽減できるのではないかと考えています。
偽薬(プラセボ)には、ウソが有効成分として含まれていると考えても面白いかもしれません(修辞的表現であり、偽薬には有効成分が含まれません)。
医薬品の過剰摂取に特化した使用法ではありますが、介護負担・ストレスが少しでも軽減できればと考えています。
ストレスは不可避
生きている以上、ストレスをなくしたり、完全に回避したりすることは出来ません。
うまく付き合っていくしかないようです。
プラセボによるストレス軽減策を介護分野以外にも応用できれば、プラセボ製薬としては強引な電話営業に頼らずに済むので有難いのですが、いやはやなんとも…。
断れない(と自覚のある)人は電話のそばに「プラセプラス」を置いておき、営業トークに対して「ちょっと今『プラセプラス』を飲んでからね、嘘をついてみるからね」と会話をぶっちぎる口実にでも使って頂ければ幸いです。
もし有効に勧誘を断ることが出来たなら、それは広い意味でプラセボ効果と呼べるかもしれません。呼べないかもしれません。
ウソをつくって、難しい!(とか言うこと自体がウソだったりして…)