錠剤やカプセル剤などのおくすり、はたまたサプリメントや健康食品などを服用される際、何で飲んでいますか?
- 水?
- お湯?
- お茶?
- ビール?
それとも、何も水分を加えずにそのまま飲み込む?
基本的には、お茶やビールはオススメされません。
またグレープフルーツジュースや牛乳などは薬効を抑制したり、相互作用を引き起こしたりするため明示的に禁止される場合があります。
無難にいくなら、水かお湯でしょうか。
水にも色々
極端なことを考えてみれば、液体の水(H2O)といっても様々な状態があります。
エクストラ・コールド(過冷却)状態の-4℃で飲んでもいいわけですし、まだフツフツと沸き立つ100℃の熱湯に近いものを飲んでもいい。
ただ、物理的性質自体が人体にとって刺激(あるいは害)になる場合を考えてみれば、服薬の際には適切な温度の水かお湯を選ばなければなりません。
ぬるま湯で飲む方が増えている?
実際のところ体温から離れれば離れる程よろしくない影響は増すわけで、赤ちゃん用のミルクを人肌の温度感で作るように、だいたい体温に近いものが医薬品やサプリメント等を服用する際にも最適なのかもしれません。
特に、「冷えは万病の元」という考え方や人の身体の健康における腸の重要性が明らかになるにつれ、体温よりも低い飲み物はあまり摂らない様にされている方が増えているそう。
健康管理に人一倍気を使っているプロフェッショナルなアスリートやエグゼクティブと称されるようなトップ層のビジネスマン達にとっては、そうしたカラダを冷やさない考え方が好まれるようになっています。
冷えを意識的に避けることが健康への第一歩との理解はますます重要になってくるでしょう。
ぬるま湯の利点はそれこそ老若男女、全世代に広がる可能性がありますね。
介護・看護でも
と強硬に言われればホットなお茶をお出しするなど、介護や看護の現場では介護される側、看護される側の意志が尊重されることもままあるようですし、それはそれで問題はないでしょう。
ただ、特に希望等ない場合には、むせたりしにくく、刺激の少ないぬるま湯がオススメされるはず。
誤嚥の結果、咽て気管支に水が入り肺炎を発症…という例はあり過ぎる程ありふれていて、注意喚起はどんな介護施設・医療施設でも日常的に行われていますし、必要がある場合にはとろみづけなどが施されることも。
健康を維持するお薬を飲むために健康を害していれば、笑い話では済みませんので。
また夏場など暑い時期にははどうしても冷たいものを求めがちですが、冷たい水は身体を冷やし、下痢になってしまったりトイレが近くなったりすることも。
さらに、認知症高齢者の介護においては脱水症状が認知症状を悪化させる場合があることが報告されており、水分摂取の重要性もしきりに訴えられています。
冷たい水をいっぺんにガバガバ飲むより、ぬるま湯をゆっくりと何度かに分けて飲んだ方が水分摂取の効率は良くなるとも言われています。
白湯はおいし
白湯…といっても中華風の「パイタン」ではなく、ここでは和風の「さゆ」と読みましょう。
お茶やコーヒーなどの刺激物ではなく白湯で水分摂取をされる、通称「白湯りすと(さゆりすと)」が増えています。
無味無臭のお湯で?と訝る声もありますが、やってみますとアラ不思議。
嗜好品による水分摂取では「味覚」という、人間が生きていく上で超重要な感覚に脳のリソース(資源)が費やされ、「温覚」が意識に上ることは二の次になりがち。
でも、白湯は無味無臭だからこそ、その温度を感じるという感覚に集中できるのでした。