「女性用バイアグラ」とも呼ばれる『Addyi®』があまり売れていないらしい

2015年8月に米国食品医薬品局(FDA)により認可され、10月に処方開始された“女性用バイアグラ”とも呼ばれる「Addyi®」

1998年の処方開始時、初月600,000(60万!)回処方された男性版こと本家「Viagra®」と異なり爆発的には売れていないそうです。

その数、3週間で227。まさに桁違いです。

参考:『’Female Viagra’ fails to arouse the same level of interest in women as male pill’s blockbuster first month sales in 1998』

Addyi?

「Addyi(アディー)」は女性の性的欲求低下障害(HSDD:hypoactive sexual-desire disorder)治療薬フリバンセリンの商品名です。

性的な刺激による快感を伴わない「不感症」の治療薬ではありません。

夫婦生活のマンネリ化に伴い(?)性的な刺激に接することを欲求として持たない・持てない・以前より低下する性的欲求低下障害が薬物治療すべき障害として認められるか否かは未だ議論があります。

血流調節機能にダイレクトに働きかけ勃起不全障害(ED)を治療する「バイアグラ」とは異なり、「アディー」の有効成分とされるフリバンセリンはもともと抗うつ剤と捉えられていました。

よって性器や性感帯そのものではなく「脳に効く」とされています。またそのことが「アディー」の特徴ともなっています。

販売に至った経緯

販売に至った経緯が下記サイトで詳報されています。

『性的不能治療の「女性用バイアグラ」登場か 「まるで電気スイッチが入ったかのように…」 肉食系女子に朗報? – 産経west』

扇情的タイトルはご愛嬌として、気になる記載として米国内では「“男性用”は色々あるのに、なぜ“女性用”はないのか?」「審査機関が性的偏見・性別差別を抱いているのではないか?」と追及する声が前々からあったそうで。

こんなところにも男女平等、ですね。

効き目

飲んだ瞬間にトロンとなっちゃう空想上の「媚薬」などとは異なり、また“本番前”にグイッと飲み込む「バイアグラ」とも異なり、「アディー」の効き目は週単位で現れるそうです。

効き目の実感まで4週間、ピークに達するまで8週間とも言われています。ピークと言っても、はっきりとしたものではなく統計値として現れているに過ぎませんのでご注意を。

また抗うつ剤が効かない人がいるように性的欲求低下障害治療薬が効かない女性ももちろんいて、生活改善やカウンセリングの方が投薬治療より有効だと考えられる場合もあります。

パートナーの変更も性的欲求を増幅させる可能性というその一点のみから見れば、有効な場合があると思われます。その場合はもちろん、自己責任にて…。

注意事項

失神や極度の眠気、吐き気といった重篤な副作用があるとされています。また、アルコールとの併用も禁止されます。

また処方する医師は研修を受ける必要があり、薬を受け取る患者もリスクに関する同意書にサインする必要があるそうで。

売れない理由

劇的な効果はなく、それでいて副作用が重篤な場合がある。こうした懸念がこれまで“女性用”の認可が下りなかった主な理由です。性差別は(その主張の強さほどには)関係ありません。

同時に、こうした特徴とこれをクリアするための取り決め(要研修、要同意書)が販売数量の低迷に繋がっていると容易に想像されます。

クリニックでは1錠あたり$26(およそ3,000円!?)、開発元のスプラウト社が提供するキャンペーン価格で月$20(2,400円程度)。価格ももちろん安くはない。

今後に注目です。

偽造薬に注意!

読売新聞の医療情報サイトに「女性用バイアグラ」に関する記事が掲載されていました(リンク切れ)。

未承認の「女性用バイアグラ」、ネット上に広告:yomiDr./ヨミドクター(2016.6.3)

「厚生労働省の承認を受けていない薬「アディージェネリック」について、効能や料金をHPに掲載」し、実際に「今回の薬はシンガポールから輸入したとみられる」とのこと。

日本国内では医薬品の広告規制がありますので、未承認薬の広告自体が当該輸入代行業者の逮捕容疑となったようです。

男性用の本家バイアグラに関しても海外輸入の偽造医薬品を販売していた貿易事業者が逮捕される事例がありますので、個人輸入や輸入代行業者からの購入はくれぐれもご注意を。

宅配便の配送伝票が大量に押収されているそうですので、誰が購入したか丸わかりですね…。

プラセボとの関係性

ここから先は「偽造医薬品」ではなく、「偽薬」に注目してみましょう。「偽薬」とは、薬効成分を含まないクスリのニセモノ。

「プラセボ(偽薬)より効果があると科学的に証明された媚薬は未だない」などの表現で媚薬の存在を否定する言説を時折見かけます。

プラセボ効果以上の媚薬効果がないことは、悲観すべきことではありません。

臨床試験で見えたもの

「アディー」の臨床試験ではこんな結果が得られたそうです(参考:『「女性用バイアグラ」の正しい基礎知識|ニューズウィーク日本版』)。

臨床試験前の調査では、満足を得た性行為の回数が月に平均 2.7 回だった。

臨床試験においてフリバンセリン(「アディー」)を服用した女性は、月に平均 4.4 回となった。

偽薬を服用した女性は、月に平均 3.7 回となった。

偽薬でも月平均にして1.0回、満足感が増しているそうです(統計的に有意か否かは不明)。

インターネットの海に紛れて現在ソースを示すことができませんが、Addyiが認可された当時の英文記事にて識者の女性がこのように語っていたと記憶しています。

プラセボ(偽薬)を販売できたらって、本当に思うのだけれど。副作用もないだろうし…ってバカげてるわよね。フフフ…(意訳)

プラセプラス

当サイトを運営するプラセボ製薬株式会社ではプラセボ「プラセプラス」を食品として販売しています。

プラセボ効果が出る・出ない、また強い・弱いには様々な要素が関係し、錠剤状のプラセボに関しては色や大きさが関係するそう。

現行の「プラセプラス」の形状は、ピンク色で長細いやや大きめの錠剤である「Addyi」とは似ても似つかぬものですので、上記の+1.0回/月のような何かはないと言っておきます。

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でもまぁ、「プラセプラス」も甘みがあっておいしいですので、記念にひと箱、いかがですか?