演劇やごっこ遊びにおいて、本物のクスリを用いることは副作用等のリスクを伴います。
「クスリスク」ってやつです。いや言わないです、たぶん。
偽薬、すなわちプラセボを用いることでそのリスクをほぼ回避することができます。
錠剤タイプのプラセボ
本物の偽薬
クスリを使ったあんなシーンやこんなシーン、どの商品を使うべきか悩む必要はもうありません。
本物の偽薬を利用しましょう。
飲み過ぎたら体調がおかしくなるかも、錠菓(タブレット菓子、ラムネ菓子)のミント味や酸っぱさが口に合わないと言った心配も不要です。
刺激強めのタブレット菓子を飲み込んでみたら、喉に引っかかってむせちゃって、その後の演技やセリフが台無し…なんてことも避けられるはず。
偽薬商品
プチっと押し出すタイプのPTP包装ならこちらを。
怪しげなビンに大量の錠剤を詰め込んでイッキ飲み…でも、できるだけ安全に!という要望なら、大容量パックをオススメします。
カプセルタイプのプラセボ
「プラセプラス」は錠剤型のプラセボですが、カプセルタイプのプラセボとして利用できる空カプセルも販売されています。
空カプセル
見た目がカプセルタイプのクスリに見えればよいのなら、薬局や通販等で購入が可能な空のカプセルを使用しましょう。
もちろん、グラニュー糖などをカプセルに詰めて使用すると、ホンモノっぽい重みや重心のずれが再現されてさらにリアリティが追求できるかもしれません。
演出に合わせてご利用ください。
演技の重要性
意識的か否かという違いはありますが、我々は日々「演技」をしながら日常生活を送っています。
自分を演じる
- 「自分」という名の役割を演じること
- 誰かに与えられた「自分以外」を演じること
そこに本質的な違いはありません。
しかし、慣れ親しんだ「自分」から離れることが難しい場合も往々にしてあるようです。
そこには、嘘を吐く自分が許せないという倫理的な観念があるのかもしれません。
プラセボ製薬の「プラセプラス」も、ただただ薬風の小道具として販売しているわけではありません。
介護という名の舞台では
「プラセプラス」を、「介護用偽薬」と称することがあります。
実は、主な偽薬の使いどころは演劇業界ではなく、現在のところ介護業界に大きく広がっているためです。
どうしてでしょうか?
認知症の患者さんにおいてはクスリを飲んだことを忘れてしまい、何度も飲みたがる場合があります。
服薬管理の失敗が症状の悪化にもつながるため介護者さんは「もう飲みましたよ」などと正す必要がありますが、ご本人にとっては忘れてしまったことですので「まだ飲んでいないのに」となってしまいます。
そうした場合に、言葉を使ってさらなる説得を試みるのは得策ではありません。
そう言いながら、しれっと偽薬をお渡し頂く。
そうすると、その薬理学的効果ではなく心理学的に…と言えばよいでしょうか、飲んだことに安心される場合があるようです。
虚構を通じた感動の提供
介護には、良かれ悪しかれ、演技や嘘が必要とされる場合がありますが、一般的の方ではそうした演技的な言葉遣いや表現を使うことを好まない方もおられます。
当社アンケートの結果によれば、介護未経験者の多くは嘘や演技を用いた介護ケアについて否定的な意見を抱いていますが、介護を経験するとその意見は反転します。
介護という名の舞台では、誰もが演技者となる…。
超高齢社会と言われる日本において、介護実践者は増え続けるばかりです。
そこには、日常性をまとったカジュアルな演技観が必要とされているのかもしれません。
プロの役者さんがテレビ画面上で、あるいは舞台やスクリーン上でしれっと別人格を演じていることを受け容れるが如く、自らの演技性に違和感を抱かない・ストレスを感じない。
そんな介護演技論があれば、救われる人がいるように思われます。