以前の記事で医療費を診療種類別にみました。診療種類には医科・歯科・調剤・訪問看護療養があります。
本記事では医科診療費について、「入院」と「入院外」に区分したものの推移を示します。
医科診療費全体の推移
以前の記事でも紹介した通り、医科診療費(下図の青線)は増加し続けています。
入院の場合
医科診療費を「入院」と「入院外」に区別した場合の推移がこちら。
2000年におよそ12兆円とほぼ同額であった入院・入院外の医療費はその後の伸び率に差があり、2019年現在ではそれぞれ17.6兆円と14.8兆円となり、およそ3兆円の差がつきました。
入院患者へ提供される医療サービスの量および金額(単価)のいずれか、あるいは両方が、ここ20年ほどのうちに飛躍的に増加したのでしょう。
受診1日当たりの医療費推移をみることで確かめてみましょう。
「入院」に該当する受診1日当たりの医療費は、2000年から2019年の内に1.6倍となりました。一方で年度の総額は同時期に1.45倍となっており、受診1日当たりの医療費の伸び率の方が大きくなっています。
これは、「入院」に該当する医療費に関して、量が減り質(単価)が向上したことを意味します。実際、「入院」における受診延日数(下図の桃色線)は減少傾向にあります。
入院外の場合
他方、外来患者等の「入院外」も受診延日数が減少しています。
また図3で示した通り、入院の場合と同様に「入院外」でも受診1日当たりの医療費が緩やかながら上昇し、結果的に図2の通り年度ごと医療費額が増加し続けています。
「入院」ほどでないにせよ、「入院外」もまた医療費の増加がしばらくは続く模様です。