薬が喉(のど)に引っかかって上手く飲み込めないと言う状況は、初めて錠剤の薬を飲むこととなった小学生や中学生など子どもたちの専売特許ではもちろんありません。
錠剤が苦手
老若男女、幅広い年代・世代の方が医薬品やサプリメントが上手く飲み込めないと悩んでいるようです。
錠剤苦手で困ったな?
錠剤は、粒薬や玉薬と呼ぶ人もいますが、上手に飲めないとやや困ったことになります。
- クスリ嫌いを誘発する
- 喉につまる違和感が嫌いで怠薬・残薬につながる
- 大きな錠剤やカプセルが喉に引っかからないように噛んで服用してしまう(チュアブル錠等を除き、基本的に医薬品を噛み砕いてはいけません)
このような服薬コンプライアンス上の問題があるため、是非とも解決策を練りたいものです。
高齢者の誤嚥性肺炎を誘発?
さて現代日本が世界の先頭を切って突っ走る超高齢化社会においては、大量の薬を飲むことがあるにもかかわらず、飲み下す力、すなわち嚥下能力が低下しがちなお年寄りがこの「喉に引っかかっちゃって上手く錠剤を飲み込めない」問題の最前線に立たされています。
最近では誤嚥性肺炎が死亡率トレンドをにぎわせるなど話題となっていますね。
誤嚥性肺炎の多くは食事中に誤って食物や唾液が気管へ移行してしまうことによるとされていますが、服薬にも付きまとう問題であると言えるでしょう。
健康のためにと飲むクスリで誰も苦しい思いをしたくはありません。
服薬介助も大仕事
また介護と服薬、看護と服薬、この切り離せない両関係において介助者が誤嚥の心配をできるだけ少なくすることは職務上のストレスを軽減する上で必須と言えるでしょう。
医療の現場、介護の現場で喉に引っかかりにくい服薬法の工夫が求められていました。
喉に残る違和感
違和感が嫌い
薬が上手く飲み込めず、喉に引っかかるような、粘膜に張り付いたような、いつまでもそこに残ってジワリジワリと溶け出しているような。
そんな違和感が残り、「ん、んっんんっ!」と咳き込んでふるい落としてみたりしたのだけれどいつまでも異物感が残ってしまう、嘔吐感がある…という場合もあったりして難儀なことです。
数日経っても取れない違和感があるなら、迷わず耳鼻咽喉科へ行きましょう。
単純な管、複雑な水流
咽喉はモノを食べたり、飲んだりする通り道になっていることから、単純でスルリ滑らかな構造となっています。
ただし、空気の通り道である気道と共有しているわけなので、その棲み分けには無意識領域で働く振り分け機能が備わっています。
飲み込むことを意識すると難しい
薬を飲み込もうとする際に「うまくやるぞ…」と肩肘張りつつ望めば緊張が伴い、食道の入り口が収縮し、無意識の門番が仕事に焦って俗にいう「変なとこ入って」しまうなんてことも。
また薬を飲むときには口に水を含みますが、引っかからないよう一気に飲み干そうとして勢いをつけすぎ、複雑な水流となって錠剤やカプセルが喉粘膜を直撃!
結構な勢いでぶつかる堅いモノは柔らかな粘膜を傷つけてしまう懸念があります。傷とはいかずとも、薬剤による打撲感がそのまましばらくは違和感として残ってしまう場合もあるようです。
こうした「意識しすぎ」による喉の詰まり解き、通りを良くするために「意識しすぎない」というネガティブな手法が推奨されることもありますが、一体全体「意識しすぎない」とは何をすることなのかと悩みは深まる一方です。
テクニカルな解決策
こうした喉の引っかかり問題は服薬上の問題点として医療現場で広く認識され、対策が練られてきたところであります。その多くは、「飲み込む」をスムーズにするテクニカル(技巧的)な手法。
幾つかを紹介してみましょう。
喉を湿らせておく
おにぎりを食べていて、歯ぐきの裏に海苔がくっついて取れなくなった経験はありませんか?
水にはモノとモノとをくっつける効果、いわゆる「水のり効果」があります。
口蓋とノリの場合と同様、少量の水分膜はモノとモノを非常にピッタリとくっつけてしまう性質があります。湿り気の足りない咽喉粘膜もまた、錠剤やカプセルをくっつけてしまうことがあります。
これを防ぐため、まず、薬を飲む前にゴクリと水を含み十分にのどを湿らせておきましょう。
「水のり効果」が最大化するのは水分量が少なく膜状に広がっている場合なので、十分な水分があればくっつく可能性を低くすることができるでしょう。
服薬ゼリーの活用
また薬が喉に引っかかってしまう原因の多くは、薬剤表面の性状に依っています。表面性状を改良する製剤上の工夫があってもよさそうですが、コストや溶解性の問題から全ての医薬品、サプリメント、健康食品に適用することは難しいでしょう。
ならば、と言うわけで。おくすりを包み込んで飲みやすくする服薬用のゼリーが販売されています。
Amazon.co.jp等のインターネット通販やドラッグストアなどで購入できますので気になる方はチェックしてみてください。
『おくすりこくり』という解決策
上記のようなテクニカルな方法は他にも「上を向く」、「正面を向く」など様々な技が提唱されています。奥義を身に着け、喉の引っかかりフリーな生活を探求するのも良いでしょう。
一方、自身で飲む場合に加え、服薬介助の際にも使えるアイデア商品があります。
『おくすりこくり』です。
服薬専用プラスチックカップ
介護が大きな市場となって久しい昨今ですが、現場で得られたアイデアや工夫が続々商品化され、広く販売されるようになりました。
『おくすりこくり』もまたそうした工夫の詰まった商品であり、服薬に有用な利点をたくさんもっています。
まずは、何と言っても内ぶたのポケットでしょうか。
- ポケットに薬を配置する
- 水を注ぐ
- クイッと飲み干す
- くっつかない!
もちろん理想的な流れを実現するには何度かの練習とコツの習得が必要となりますが、それでも、「水だけを飲む」よう意識することで「意識しすぎない」を部分的に達成し、喉に引っかからせることなく飲めるよう設計されています。
また、上蓋のくまモンによって飲み忘れを防ぐよう意識づけがなされ、
ふたをひっくり返すと受け皿になって非常に便利。
もちろん取っ手付きなので介助を行う場合にも最適です。
もちろん抗菌仕様で耐熱性もあるプラスチックなので、自動食器洗い機の使用や煮沸消毒も可能です。
プラクティス with プラセボ
さて、人生において練習もなしに上手くできたことがひとつでもあったでしょうか?
もちろん本能というか人間が生きる上で必須の基本的動作ならばいざ知らず、「薬を飲む」という行為はある意味では不自然な行為です。巧くできないのが当然と言えば当然と言えるでしょう。
もし、薬を飲み込むことの練習が可能だとしたら?
偽薬で練習
当サイトを運営するプラセボ製薬では、薬の練習用途に使える偽薬食品「プラセプラス」を販売しています。
偽薬とは、読んで字の如く薬効成分を含まない薬のニセモノ。
もちろんアヤシイものではなく、食品成分のみから作られた食品、あるいはお菓子のようなものです。少し甘い味がします。舌の上に残って苦みが広がるなんてこともありません。
錠剤がいつも喉に引っかかると悩んでいたり、最近は特に引っかかりやすくなったなど変化を感じているなら、これまでに示した手法、グッズに加えて偽薬で練習されることをオススメします。
プラセボ効果
実は偽薬は「プラセボ」とも呼ばれ、特に新規医薬品の臨床試験などでは頻用されています。
「プラセボ効果」という言葉をどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?ニセの薬でもホンモノと思い込めば効いてしまう、不思議なプラセボ効果…。
実のところ、プラセボ効果やその反対語のノセボ効果が「薬を上手に飲み込むこと」に関与しているという科学的な根拠はありません。
しかし、“私はクスリを上手く飲み込むことができる”と自分自身を信用できることは、実際に上手く飲み込むための大きなアドバンテージとなるでしょう。ぜひ偽薬を使った練習で、そうした確信を得てみてください。
おくすりこくりとともに。