寝ている時に喉が渇くのは異常ではなく睡眠時の生理機能

眠ろうと布団へもぐりこんで横になった途端に喉(のど)の渇きが気になりだす。

就寝中に強い喉の渇きを感じて何度も何回も目が覚めてしまう。

  • 糖尿病
  • 尿崩症
  • シェーグレン病
  • 睡眠時無呼吸症候群

上記のようないつでも異常に喉が渇く病気ではなくとも、眠った時にだけすごく喉が渇く。起床時には痛いくらい喉が渇く。

日中起きて活動している時にはそうでもないのに、寝ている時にだけ感じる喉の渇きに悩まされている方はたくさんおられるようです。

喉は渇くけど、異常?正常?

本記事では、そうした喉の渇きが「異常」なものではなく、水という貴重な資源を最大限活用するために私たちの生理機能が起こす「正常」な現象であるという立場からその理由に迫ってみたいと思います。

と、その前に。

就寝時の喉の渇きをもたらす生活習慣について一度見直してみましょう。なんらかの発見があるやもしれません。

年のせい?

検索サイト経由で当記事へ辿り着いた方の中には、就寝時の喉の渇きの原因を「加齢」や「老化現象」と捉えている方もおられるようです。

体内の水分量は年齢を重ねるごとに減っていくとされていますので、当然と言えば当然かもしれません。

しかし反対に「2才になる子供が、喉の渇きで起きてしまう」など、凡そ加齢とは関係のないはずの乳幼児も就寝時・睡眠中に喉の渇きを訴えているようです。

また「20代女性」など若年の方でも悩んでいる方がいる以上、たとえ年齢が喉の渇きと関係があるにせよ、それを決定付ける特別な原因・要因とはならないと考えられます。

口を開けて寝てない?

鼻呼吸が得意ではなく、就寝中でも口呼吸で過ごされる方がおられます。

鼻や鼻腔は体内からの水分喪失を最低限に留めながらガス交換を行う呼吸器官です。口呼吸ではどんどんと水分が逃げて行ってしまいます。

もし、睡眠時にも口呼吸をしている自覚があるなら口呼吸を止める方策を練ることで解決するかもしれません。

鼻づまり解消に、鼻洗浄

鼻づまりも甘く見てはいけません。

鼻が詰まったままでも身体は酸素を欲しがるため、口から息を吸ったり吐いたりして、とうぜん喉や舌は乾いていってしまいます。

鼻づまり解消には、一般の人でも試すことのできる鼻洗浄器具の利用が奨励されています。

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自覚症状のない「隠れ鼻づまり」だったという方もおられますので、一度試してみる価値はあるように思います。

乾燥空気・いびき対策

もちろん、室内の空気に湿気が足りない場合には鼻呼吸と言えど水分が出て行ってしまうため、ぬれマスクや加湿器の使用で湿度調整を検討されてはいかがでしょうか?

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就寝中の鼾(いびき)に関しても自分ではわからないまま口があいてしまうことがありますので、イビキ対策によって口渇は改善するかもしれません。

物理的に鼻腔を拡張するとイビキが改善する場合があるようです。

自分が寝ている間にいびきをかいているか否かは、今では家族の協力が無くてもスマホにアプリを導入すれば一人で簡単にチェックできてしまうので興味ある方は調べてみると良いでしょう。

エアコン付けっぱ?

エアコンをつけっぱなしにすると、空気は乾燥します。また直接エアコンの温風が顔に当たるようであれば喉の渇きが助長されてしまうでしょう。

冬の寒い時期には空気が乾燥しがちで、エアコンで空気を乾燥させつつ加湿器をフル稼働させる反エコ運動に勤しんでるなんて方も…。

文明の利器は、この欠点を解消したようです。

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安い買い物ではありませんが、興味のある方は是非。

高すぎ枕にご用心?

高すぎる枕を使っていると、喉が渇くのかもしれない。

  • 寝ている間に分泌されるはずの唾液が、首の前傾により阻害されるとしたら…?
  • 就寝時には血圧が下がるため高くした部分には血が通いにくく、すなわち水分が供給されにくくなっている…?
  • はたまた、就寝中は脳みそ保護のため「第三の体液」と称される脳脊髄液に水分が優先配分される…?

原因は明確ではありませんが、寝具の変更が改善につながるかもしれません。

横向きに寝る

仰向けで寝ていてどうにも喉が渇いてしまう方は、横向きに寝てみるのも一考に値するのではないでしょうか?

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もちろん合う、合わないはありますので、実験精神をもってお試しください。

利尿作用があるものたち

尿、おしっこ、小便。これらは端的に行ってしまえば、水分を体外に排出するはたらきです。

ある種の飲み物や薬は、この働きを増幅する利尿作用を有しています。

飲酒してませんか?

お酒を飲んで寝ると、相当喉が渇くことは酒飲みのオトナなら誰もが経験していることでしょう。

アルコールの利尿作用によって体内の水分は排出され、血管拡張作用によって血液需要が増大し、血中アルコールの代謝過程においてはさらに水が必要とされるために体内水分需給は逼迫。喉が渇くのは自然の理と言えるでしょう。

喉の渇きに悩まされつつ、晩酌や寝酒の習慣があるならいずれか一方を諦めるか、酒量を減らすなど適切な妥協点を見出しましょう。

利尿剤?

高血圧治療等に用いられる利尿剤には、当然ながら体内の水分を余計に排出する作用がありますので、もし飲んでおられるなら喉が渇くのは利尿剤かもしれません。

薬の副作用として口渇、つまりは「すごく喉が渇いてしまうこと」はかなり一般的な症状ですので、お薬を常用されている方は一度、医師・薬剤師にご相談いただくことをオススメします。

お茶やコーヒー

カフェインの含まれる紅茶やコーヒーにも利尿作用、すなわち排尿を促して体内の水分を少なくする作用があります。同時に眠気を飛ばす覚醒作用があることも良く知られていますので、寝る前に好き好んで飲まれる方は少数でしょう。

ただし、一部のお茶、特にダイエット効果をほのめかしたり、むくみを取るなどの効果が謳われている商品の中には利尿作用があるお茶もありますので、就寝前の摂取は控えた方がよろしいかと。

食べ過ぎてない?

豪華な夕食、腹いっぱいの晩ごはん。こうしたフツーの食事も、喉を乾かせているかもしれません。

炭水化物にご用心

ごはん、パン、パスタ、ピザなどの主成分として含まれる炭水化物がエネルギー源として体内に蓄積される際、その量の3倍もの水分が一緒に蓄積されなければならないと言われています。

身体に摂りいれた炭水化物の一部は消化・吸収された後、「グリコーゲン」と呼ばれるエネルギー貯蔵物質に作り替えられ水と一緒くたになって筋肉や肝臓に貯蔵されます。

つまり、夕飯でご飯(お米)の量を増やせば増やすほど、寝ている時に水分が筋肉などに持って行かれるのではないか?

もちろんこれは仮説に過ぎません。

しかし、あなたが睡眠中の喉の渇きでいつも不快な思いをしておられるのなら、実験的にご飯の量をいつもより減らし、身を持って仮説を検証してみることに大きな意味があるのではないかと考えます。

なお、清涼飲料水やジュースには多量の糖分(炭水化物)が含まれているので就寝前の一杯にはオススメしません

塩分過多の場合

糖分と異なり、塩分は即効性の口渇成分です。血中の塩分濃度が高まると元の濃度に戻すよう水分が血液に取り込まれるため、喉が渇きます。

この場合、塩分を大量に含む食事を終えてすぐ眠るのでなく、夕食後眠るまでに一度以上トイレに行く機会・時間的余裕があるなら、眠ってしばらくして喉が渇くことの原因とは考えにくいのかもしれません。

イオン(塩分)について後述のように、適量の塩分は体内の貯水量を高めてくれるでしょう。

サプリメント

健康のため良かれと思って摂っているサプリメント、栄養補助食品、健康食品があるなら、一度やめてみることを考えても良いかもしれません。

ダイエットを謳う成分が水の体外排出を促すことがあるように、思わぬところで効いてしまっている可能性があります。1週間程度、サプリメントなしで生活したってそれほど害はありませんので、就寝時の喉の渇きでお悩みなら思い切って中止することを検討してみてください。

汗かきすぎ仮説

水分は人間にとって大事な資源です。水を使ったり、出したりしてホメオスタシス(恒常性)を機能させています。

一度かいた汗は体内に戻らない

寝ている時には大量の汗をかくというお馴染みの現象があります。就寝中に汗をかく理由と喉の渇きにも関係があるはず。そもそも、どうして汗をかかなければならないのでしょうか?

それも、大量に。

寝ている間に汗をかく、いやかかなければならないのは、体温調節のためです。より正確に言えば、体温を下げるため

睡眠時には、0.5℃ほど体温が低下するようです(『睡眠と体温|体温と生活|テルモ体温研究所』)。

カラダの深部の温かな血液を手先足先へ流し、汗をかいて水蒸気として熱を空気中に逃がそうとしています。しかしこの時、思ったより温度が下がらなければどうなるでしょうか?

そう、もっと汗をかくことになります。就寝前にいくら水を取り込んだところで、汗に使われてしまい足りなくなっている…のかもしれません。

熱を逃がしやすくして、寝る

体温低下を阻害する環境要因を取り除くことで、汗の為に余分な水分が奪われる状況を回避できるかもしれません。その方法には、以下のようなものがあります。

  1. 足先を布団から出して眠る
  2. できるだけ薄着で眠る
  3. 敷布団やマットレスの下にすのこ状のものを敷き、蒸気の逃げ道を作る
  4. 掛布団を薄いものに交換し、熱を含んだ蒸気の逃げ道を作る

それでも咽が渇くなら

調べてみたけど、どうやら糖尿病や睡眠時無呼吸症候群といった病気ではないらしい。

  • 病気ではないらしい
  • 過度の鼾もない
  • 口呼吸もしていない
  • エアコンやヒーターはタイマーで寝入ったら止まるようにしている
  • 枕も以前から使っているもので、高すぎると感じたことはない
  • 酒も茶もコーヒーも飲まない
  • 利尿薬など薬は飲んでいない
  • 晩飯は腹八分目で済ます方だ
  • 寝汗で冷えた経験もない

全然思い当たる節はないぞ。それでも、寝ている間にすごく喉が渇いてしまうんだ…。

原因が見いだせない場合

喉だけじゃなく舌まで乾いてしまって、どれだけ水を含んだところで渇きは癒されず何度も目が覚める。

そうした方が結構大勢おられるみたい。

病気、加齢やストレスによる唾液量の低下、そうした原因に基づく「異常」な状態として喉の渇きを捉える解釈がインターネットには溢れていますが、果たして本当でしょうか?

水という人体にとって貴重な資源を最大限有効に利用しようとする身体の働き、私たちが頭で考えているだけでは見えてこない人体の神秘のような生理機能がそこには隠されているのではないでしょうか?

遅延・遅発型フードアレルギー

医学的に認められているものではありませんが、食物による遅発型のアレルギーによる口渇感が出る場合があります。

医療機関で指摘されることはほとんどありませんので、気になれば専門医院か自身で調べることになります。

セルフ尿チェック

また睡眠時の口渇に関するもっとも簡単な体調の検査方法は、朝一番のおしっこを観察することです。

朝一番に出る尿は「早朝尿」「濃縮尿」と呼ばれ、日中よりも黄色が濃く、泡立ちやすい尿となっているはずです。

これが普段と同じか、薄すぎる場合、何らかの異常が疑われますので病院でその旨を述べチェックを受けられると良いかもしれません。

就寝時の体位の影響

もし現在も睡眠時の喉の渇きにお悩みでしたら、一度試していただきたい事があります。

それは、就寝中に強い喉の渇きを感じたらムックリと起き上がり、5分ほど起坐位を取ることです。起坐位とは、上半身を90°ほど起こした状態のこと。

寝っ転がった臥位から、半身を起して起坐位へ。

ご自身の喉の渇きとその変化に集中してじっくり観察してみましょう。これだけでじんわりと唾液が分泌されるのを感じるのではないでしょうか?

就寝時は血圧が下がる

就寝時には血圧が下がります。重力に対抗して頭の先からつま先まで血を巡らすのに必要な圧力は、立っている時よりも寝ている時の方が低くて済むためです。NASAの研究によれば、宇宙遊泳時(無重力状態)の宇宙飛行士の血圧もかなり下がるそうです。

血圧と唾液分泌の関係性は明らかではありませんが、体位の変化により唾液量が変化する現象には血圧が関係しているのかもしれません。利尿剤以外の降圧剤の一部には副作用として口渇を挙げているものもありますので、無関係とは言い難いように思います。

就寝時は血管が広がる

血圧が下がるのは、血管拡張の結果だと思われます。寝姿勢になると無意識的かつ反射的に、おそらくは自律神経の働きで、血管が拡げられます。血管とはすなわち、血液の通り道。

血液は、水分でできています。

寝ると同時に、我々の身体は水分の調整を始めるようです。

就寝時の血液調節

就寝時には、起床時や活動時と異なる水の使い方がなされます。体内の水分需給を血液量という面から考えてみましょう。

体温調節

繰り返しになりますが睡眠に適した体温に調節するため、血液量を増やして循環を向上させ、汗をかいて体温を低下させようとします。

栄養・排泄

また就寝中に分泌される成長ホルモンなどの各種ホルモンや栄養は血液に乗って身体の隅々、全細胞に運搬されるため、体中の毛細血管が弛緩して血液量を維持しようとします。

さらに代謝によって発生した不要物を適切に分解・排泄する化学作用、運搬移送にも水分が必要とされます。

これらのいずれもが、水を要求しています。

体内貯水分類

さて身体の水分利用を考える上では水分が体のどこにあるのかを常に念頭に置いておかなければなりません。

  • 血液・リンパ・脳脊髄液
  • 体表・筋肉・脳
  • 実質臓器(心・肝・腎・碑・膵・その他)
  • 管腔臓器(口腔から肛門へ続く消化管)
  • 膀胱(尿)

単純に考えても、これらを総合的に考慮する必要がありそうです。

血液・リンパ・脳脊髄液

全身に張り巡らされた血管網、リンパ管網はその機能をフルに活用して水分を全身に配分・調整します。睡眠時には流量が一時的に増えるため、水分を要求すると考えられそうです。

「第3の体液」と称され、脳内の隙間を流れる脳脊髄液も睡眠時には流量を増すとされていますので、これまた水分の需要がありそうです。

体表・筋肉・脳

体表や筋肉、それに脳は上記のように睡眠中多量の水分(血液)を要求します。

熱を逃がし、明日の仕事の為にエネルギーを蓄え、精神活動をリセットする。こうした超重要な働きを担う器官へ水配分が優先されていると考えられます。

実質臓器

心臓や肝臓など目立つ臓器は、睡眠時にもその固有の働きを遂行しています。実際のところ、覚醒時と睡眠時における実質臓器の働きの違いが科学的・医学的に明確なわけではありません。

体内時計によって制御されるはずの臓器固有機能は、まだまだ未知に満ち満ちています。

例えば、血液を貯蔵する働きをしている脾臓が「日中の活動に備え、夜間、血液貯蔵量を増す(需要↑)」のか、あるいは「睡眠時に貯蔵血液を使って、不足する水分を補っている(供給↑)」のか、よくわかりません。

管腔臓器

管腔臓器により形成される消化管は栄養や水分を吸収して血中へ移行する、「水分供給器官」です。別の言い方をすれば、体内の水配分において優先順位が低い器官。

寝ている間は外からの水分供給が断たれているので、何とか手持ち分だけでやりくりするしかありません。

消化管とは口腔から肛門へと続く一連の器官。本稿で問題としている口や喉は、その一部です。

膀胱(尿)

尿(原尿)に含まれる水の大部分は再吸収され、排泄されるものだけが膀胱に溜められることになります。

膀胱や尿管での結石懸念から一定以上に尿の濃縮を高めることを身体自身は求めていないはずで、一旦膀胱まで達した水分を再利用することは難しいものと考えられます。

したがって膀胱は水分供給器官となることができません。(※追記:膀胱が尿を吸収するかもしれないという報告があります)

進化論の視点から

かつて動物は「何か」を求めて海を捨て、地上へと向かいました。

海を離れたことで文字通り無尽蔵にあった水や塩分は貴重な資源となり、何とか上手く環境に適応するため様々な生理機能を進化させたと考えられます。

進化の過程では乾燥や水分不足が私たちの祖先を脅かしたものと思われますが、どっこい我々は就寝時に口渇を感じながらも元気に生きています。

私たちにできること/すべきことは、そうした機能の破綻や矛盾を疑い、なんでも「異常だ!」と解釈することではなく、神秘的とも思えるような働きがそこにあると信じてみることではないでしょうか?

そうした神秘性(≒進化論的適応性)に基づく解釈が「正しい」とか、「絶対だ」なんて主張する気は毛頭ありません。

上記貯水分類も、思い付くがままというか、科学的な適応性を十二分に考慮せずに挙げたものです。組織の発生由来を考慮すれば、内胚葉由来の組織が外部から水分を調達し、中胚葉由来の組織によって分配され、外胚葉由来組織により活用される、なんてアイデアも考えられます。

本記事で紹介しているのは、すべて仮説であるという点をご理解ください。

寝ている間に起こること

閑話休題。

上記を踏まえて考えてみると、寝ている間には以下のことが起こります。

  1. 体表や筋肉、脳などから血液量増量要求すなわち水分需要が急上昇。
  2. 上昇した水分需要に対応するため、消化器官から水分が供給される。
  3. 口や喉を含む消化器官から搾り取るように水分を供給しても需給逼迫。
  4. さらなる水分供給を求めて「外部からの供給依頼」シグナルを出す。
  5. 強い喉の渇き!という感覚。

こうした「正常」な生理機能が喉を乾かせているのではないでしょうか?

また臥位から起坐位への体位の変換によって喉が潤されるとすれば、体内の水配分にとって重要なのは脳の睡眠よりも、むしろ寝っ転がっている状態の方かもしれません。

朝、起きた時の喉の渇き

夜の内に栄養を身体中へ運搬し体温を低下させるために使われた水分は、明け方に体内時計が促す「寝起き」の作用により、さらに使われることになると思います。

血圧を上げて脳と身体に血液を巡らせ、活動体勢をとる。

そのため、喉が渇いて起きると言うよりはむしろ、起床の為に身体が水を求めるからこそ喉が渇くと考えるとよいかもしれません。まったく正常な作用として。

増大する水分需要に対応するために

さて寝ている間の大量の水分需要に対応するためには、就寝前に水分を摂りいれておくしかありません。

特に冬の寒い時期などでは、就寝前まで閉め切られていた手先・足先など末梢の毛細血管が開くために需要の増量分が大きく、それゆえに供給量が間に合わなくなりがちです。

喉が渇くなら、室内の湿度よりむしろ、体内の貯水量に気を配った方が良いでしょう。

水とイオン

真水を飲んでも血液が薄まるため上手く利用することができません。イオンバランスにこだわった清涼飲料水が謳っているように、適切な濃度の塩分や糖分が必要になります。

就寝前に水分を摂取するなら、ただの水よりも、そうした清涼飲料水のような塩分を含んだものを取るべきでしょう。

虫歯に気を付けつつ、こうしたものを摂りいれてみてください。

できれば起き上がった状態ではなく、数分間は寝る姿勢を取って身体を睡眠状態に近づけてから、あるいは下記の「ふくらはぎ揉み」してから…というのが理想かもしれませんが、ぜひとも虫歯にはお気を付け下さいませ。

ふくらはぎを、もみもみ

寝る前、水分補給をするその前に、軽くふくらはぎを揉む。すると、血液とリンパ液の流れが良くなり、細胞間質に溜まった液が抜け、細胞が新たに水分と栄養を求めて血液から取り込もうとすることで、眠った時に増大する需要の先取りができる…なはんてことがあるやもしれません。

息を大きく吸い込むためには一旦深く息を吐いてやる必要があるように、より多くの余分な水分を体内に取り込むために、意識的に細胞へと血液を送り込んでおくとよい。

仮説の域を出ませんが、ふくらはぎを揉んでから水を飲み、床に就くことを試してみる価値はあるかと。

栄養素について

我々のカラダは、日々口にする食事で変わってきます。喉の渇きと栄養素の関係についても考えてみましょう。

食物繊維

本記事では以前に「マユツバ・ファイバー物語」と称して、水を保持する食物繊維を多くとってみたらどうだろう?という仮説を提示していました。食物繊維に水分を含ませて腸内に人工の水分補給基地を形成しましょう、と。そのために、一日一個のリンゴを食べましょう、と。

まぁ、「マユツバ」と言う通り単なる思い付きだったわけですが…。

糖分・炭水化物

既に書いた通り、糖尿病ではなくとも血中の糖分が高い高血糖状態は喉を乾かせる原因になりかねません。夕食の白ごはんやパスタなどは控えめにされた方が良いかもしれません。実はリンゴだって糖分を含んでいるのですよね。ちょっとした自己矛盾ではありました。

流行りの「糖質制限」を採り入れてみるのも悪くないかも?

塩分

日本人にとっては塩分の取り過ぎが指摘され、食品業界もその対策として「減塩」をうたう数々の製品を開発・販売してきました。

日々の食事においては塩分を控えめにすることが当たり前だ、という方も多いのではないでしょうか?

しかし、「日本人には塩が足りない」という真逆の主張をされている方もおられます。

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喉の渇きと塩分には、まず間違いなく関わりがあります。

喉の渇きに困っておられるなら、一度その「減塩生活」を見直してみるのはいかがでしょうか?

タンパク質

「アルブミン」という言葉をご存知でしょうか?血液に含まれるたんぱく質です。実はこのアルブミンが、血中の水分保持に重要な役割を占めています。例えば高齢者の「低栄養」は上記の糖分などではなく「血中アルブミン量」が少ないことが大きな問題なのです。

夜中に喉が渇くのも、もしかするとアルブミン不足

肉類やチーズ、たまごなど高タンパク質の食品を普段より多めに摂取することを考えてみても良いかもしれません。

ちなみに、最近は卵を多く食べることと高コレステロールや高脂血症とは無関係であるという報告がなされており、玉子を1日1個までとするような制限は撤廃されました。低栄養が心配な方は、積極的に卵を食べましょう。

寝る前の牛乳はトリプトファン摂取のため?

また寝付きが悪いと訴える人に対して、眠る前に牛乳を、寒い時期にはホットミルクを飲むことが推奨される場合があります。

というのも、牛乳に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンが原材料となり脳内でセロトニンメラトニンを増量してうんぬん…とその“効用”がまことしやかに語られているためです。

しかし、実のところ牛乳を飲んで寝付きが良くなるのは水分とアミノ酸(タンパク質)不足を補うため…であるかもしれません。

牛乳が苦手でなければ、一度、就寝前のミルク習慣を試してみても良いかもしれませんね。

就寝前に飲むべき適切な水の量とは?

私たちの身体の大半は水で出来ている、という事実は多くの方がご存知のはず。では、寝ている間の喉の渇きを感じないために摂り入れるべき水分の量はどれくらいになるのでしょうか?コップ一杯と、あなたの身体の大きさ(体積)をじっくり見比べてみてください。

コップ一杯分の水は、あなたの身体と比較してかなり小さいのではないでしょうか。

だとすれば、睡眠時の喉の渇きに悩んでおられるなら、もう1杯、あるいはもう2杯分くらい余分に飲んでみることをオススメします。

経口補水液

昨今の猛暑と熱中症の関係が示す水分補給の死活的重要性から、経口補水液なるものが販売されています。

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イオン・バランスが適切に調整された経口補水液は、寝る前にコップ2杯分くらい飲めば就寝時の口渇予防に一役買ってくれるかもしれません。

また喉が渇いて目が覚めた時にはカラダ全体が渇き水分を求めていますので、口や舌を湿らすだけでなく、身体中に使える水を補うことが必要でしょう。

スーパーやドラッグストアで販売されている甘い清涼飲料水には糖分が多量に含まれていますので、多少高価でも虫歯が気になる方には是非オススメしておきます。

白湯もおすすめ

身体にいいとは言え、経口補水液はそれほど美味しいものでもありません(正直に言えば、マズイ部類に入る)し、なにしろ価格設定が高めなのが気になります。お金のことなど気にせずゴクゴクと水を飲みたいという方には、経済的な白湯をオススメします。

体温より若干温度が高めの白湯を飲めば、摂り入れた熱を捨てる身体の生理作用によって、就寝前の段階で手足の血管容量をアップさせて夜中の喉の渇きを防いでくれるかもしれません。

喉の渇きは温かいお湯で癒してみることをオススメします。

生理機能が引き起こす不快

私たちのカラダが持つ生理機能は、知らず我々の身体を最適な状態へと導いてくれます。

そうした快、不快の感覚に正直になること。感覚自体をじっくりと観察してみること。そうした態度で取り組んでみると、新たな解釈が生まれてきます。

なんでもかんでも「異常」で済ませてしまうより、不快の元となる原因を探る深い思考を。

プラセボ製薬では、そうした心構えがよりよい健康観に繋がると信じています。

対症療法にも意義はある

今回紹介したのは、不快の大元を探るための知識がメインです。

ただ、「今、ここにある苦悩からすぐにでも逃れ、大元の原因とはじっくり落ち着いて取り組みたい!」という気持ちもないではありません。…というわけで探ってみると、ドライマウスの方向けにこんな商品が販売されていたのですね。

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根本的な原因を探るのではなく症状を緩和するための対症療法的な発想ですが、必要に応じてご利用を検討されてみてはいかがでしょうか。

結局、確たる原因はわからない

人体の精妙さに対し、科学や医学の及ぶ範囲はとても限定されています。プラセボ効果のように、解明不可能な部分が大半を占めています。

睡眠時に喉が渇くことも、これといった確たる原因が判明しているわけではありませんし、各個人によってその原因は違うかもしれません。

したがって、「寝ている間に喉が渇く」と感じておられるあなた自身で仮説を立て、それを検証するという実験を繰り返すことでしか悩みは解消しません。

不快に感じることの原因を「病気」と捉えるのではなく、身体がもつ本来の「正常な働き」の結果だと考えること。そこから対策を練ること。

当記事で提示した仮説がこの正常さに基づく不快を解消する助けとなれば、これ以上嬉しいことはありません。

まとめてチェック!

就寝時の喉の渇きが気になるなら、いちいちチェックしてみましょう。光明を見出すことができるかもしれません。

  1. 口を開けて寝ていないか?
  2. 隠れ鼻づまりになっていないか?
  3. エアコンを付けっぱなしにしていないか?
  4. 枕は高すぎないか?
  5. 布団内の温度が高すぎることはないか?
  6. 利尿作用のある飲料を就寝前に摂取していないか?
  7. 降圧剤を飲んでいないか?
  8. 糖分や炭水化物を摂り過ぎていないか?
  9. タンパク質を十分に摂取しているか?
  10. 代謝で必要な量+体温低下に必要な量の水分を摂取しているか?

皆様の口元に、潤いが取り戻されますことを。