『対照実験の科学哲学』が出版されました

『対照実験の科学哲学』表紙

プラセボ製薬代表・水口による著書『対照実験の科学哲学』がAmazonが提供する出版プログラム(KDP)から出版されました。電子書籍Kindle版と、紙書籍版があります。

KDPによる出版ですので、書店および図書館等での取り扱いはありません。ご了承ください。

紹介文

「対照実験は信頼できるか?」

現代社会は科学を重視しています。科学的判断の基準として対照実験の結果を活用しています。では、対照実験という手法は無条件に信じてよいのでしょうか。対照実験を信頼するとは、結局のところ何を信じることなのでしょうか。

こうした問いに答えるには、科学哲学が必要です。小学校でも習う対照実験。でも、その信頼のありかは説明されません。科学哲学によって、対照実験を基礎づける。この取り組みからしか見えてこない、信頼そのもののかたち。科学という営みの特別さ。プラセボ効果の不思議。

学生時代に数多くの対照実験に失敗してきたわたしが、プラセボ製薬株式会社でプラセボ販売事業を営みつつ育んだ哲学をまとめた本書。できるだけわかりやすく書くことに努めました。対照実験に真正面から取り組み、スリリングな展開を描いた軽やかな知的跳躍をお楽しみください。

書籍目次

  • はじめに
    • 現代社会を形づくる科学(科学への信頼の真相を探る)
  • 第1章
    • 対照実験を対象に(科学哲学のやりがい、プラセボ効果の殺し方、問題の名前、トンチカルな本書の構成、論理、飛び越えて、実験ではなく対照実験)
    • 数学と科学の基礎づけ(数とはなにか、数学と科学のちがい)
    • 対照実験の基礎づけ(対照実験の基礎づけ問題、信頼の先にあるもの、トンチカル・ロジック、現実と虚構のはざま、無の捕らえ方、無の表し方、無と無差異の差異、無の合成が導く自然の斉一性定理、矛盾の導き方、対照実験を構成する、基礎づけ問題への解答)
    • 端的なフォロー(モノひとつ、モノふたつ)
    • 第1章のふりかえり(同じ集合、前提の前提、差異の世界へ、一般の科学へ)
  • 第2章
    • _(第2章について)
    • はずかしい経緯(無恥の恥、神殺しの物語、物語の方向性、標準的ってなんやねん)
    • よくある説明(金科的説明と付加的説明、3た論法と否定的説明、本質的説明の求め方、小学理科、中学理科、高校理科、公教育からの逸脱)
    • 失敗した対照実験の思い出(大学院の研究室、研究における実験とは、生命科学実験、PCR実験、対照実験失敗、失敗から学ぶ教訓)
    • 第2章のふりかえり(経験を一般化することの不可能性)
  • 第3章
    • _(第3章について)
    • たいしょうことはじめ(まぎらわしい「たいしょう」、裸の対照、あらない系、悪魔の証明、対照実験の知らんぷり作戦)
    • 無価値なはなし(価値とはなにか、はなしをややこしくする方法、価値と客観性、価値と科学的探究、盲検法の価値、プラセボ対照の価値、「プラセボ」の価値)
    • プラセボ効果の殺し方(あらためて対照実験、目的と価値の順問題と逆問題、プラセボ効果の必要性、深掘り説明原理、比喩的説明原理、プラセボ効果を殺すとき、図解・プラセボ効果の殺し方、プラセボ効果の価値、プラセボ効果の科学的価値)
    • 無作為なるもの(説明とはなにか、無作為とは、同じを擁護する無作為、同じを生み出す無作為、無作為による対照実験の拡張、付加的なランダム化、無作為のありやなしや、すべてを説明する)
    • 進化的なアネクドート(生命の本体、自己と無の複製、競合の存在と進化、体内時計と進化、前提としての体内時計、ローカルルールの寓話、グローバルルールの逸話、驚異の進化、言語のおきて、虚構からの逃避)
    • 循環参照で合成(右と左の循環参照、合成の定義、数学的にみる合成のはたらき、無から対称性へ?)
    • 価値の価値(自己言及、○○の価値、価値の価値、本書の価値)
    • 第3章のふりかえり(対照実験へ至る道、プラセボ効果の生かし方、無作為による近似、言語モデルの対照学習、無がつなぐ体系、無神教としての科学、集金装置としての無神教)
  • 第4章
    • _(第4章について)
    • 図示してみよう(図示の目的、分類の大枠、無の合成、現実・差異・現実、ルールにないこと、実験系列、陰性対照実験、陰性対照実験とプラセボ効果、ABテスト、図示についてのまとめ)
    • 図示の注意点(実験環境の考慮、実験系列の独立、図示のメタ目的)
    • あらためましての対照実験(対照実験の展開、背理法の原形、否定についての補遺、対照することの意義、原因と結果、価値、測定、結果の差異、原因の特別な差異)
    • 対照実験の分類(対照実験の応用法、完全と不完全、不完全なネガティブ・コントロール、不完全なポジティブ・コントロール、不完全な半陰性的ABテスト、無作為なランダム化比較試験(RCT))
    • 分類に関する哲学的課題(分類課題と種問題、人工種としての対照実験)
    • 統計学と対照実験(応用から見た対照実験、実験計画法、帰無仮説、必要不可欠な統計学)
    • 第4章のふりかえり(分類まとめ、そもそも同じと見なすこと、この先の展望)
  • 第5章
    • _(第5章について)
    • 再現性(強固な日常の再現性、微細な微差異にびっくり、本能的な不快感、不快な自分の顔や声、予測する脳と感覚)
    • 再現性の危機と対照実験(再現性を語るとき、理念からの再現性、いまここ性からの脱却、対称性のレイヤー、無差異の複製、再現性の危機、言語による世界の認知、認知を超えて)
    • 失敗検出(失敗検出機構、失敗は定義できるか?、常識が支える枠組み)
    • 三角対照実験(完全対照からの対照実験、三角対照実験の概要、三角対照実験の図示、三角対照実験の問題点)
    • 第5章のふりかえり(法則を立ち上げる、形而下のストーリー、再現性からの逃避)
  • 第6章
    • _(第6章について)
    • 対照実験の受容(世界に広まる対照実験、標準的な対照実験、念仏を唱えるだけ、同じを唱えるだけ、システムと摂動、東西思想の折衷)
    • 対照実験ハック(強力すぎる対照実験、価値について再確認、2つの目的、2つの価値、優先順位を決めるもの、プラセボ競合、自省的であるために、免責と再現性の危機)
    • 対照実験観(現在の対照実験観、因果と価値のネットワーク、将棋AI、囲碁AI、ウソのホントの性質、理解の対象、世界創造するときは、矛盾含みのシステムにも適用できるか?)
    • ABテスト本流論(わたしの偏見、ABテスト進化論、無を注入する陰性対照実験、無を排除するABテスト、分類の転換、局所性、わたしの超偏向)
    • あたらしいプラセボ効果研究(未来構想、概要、対照実験の理念、現行のプラセボ効果研究、対照実験をぶっこわさない、対照実験をぶっこわす、あらたなる擬無を求めて、証明体系、圏論的に表現する証明体系、科学哲学の楽しみ)
    • 実験の理論(哲学で、より根源へ、実験で示せること、実験に臨む心がまえ、演繹的推論、実験の理念、実験と理論の再帰的な相互参照、実験理念の実験的解釈、対照実験を信頼すべき理論的背景、実験理論のさらなる展開へ)
    • 第6章のふりかえり(プラセボ効果を超えて、対照実験を超えて、科学を超えて)
  • 終章
    • _(終章について)
    • おすすめ書籍(一休さん、漫画ブッダから親鸞へ、成瀬は天下を取りに行く、史上最強の哲学入門、無の科学、でたらめの科学、時計遺伝子、圏論の道案内、科学的思考入門、誰がバイオ研究の査読システムをダメにしたのか、僕は偽薬を売ることにした、まだないストーリー)
  • おわりに
    • あとがき(神がかりストーリー、ありうる批判、歩き出してみなければ、孤独の限界、AI向け原稿販売、おねがい、著者紹介)

購入リンク(Amazon.co.jp)

https://www.amazon.co.jp/dp/B0HGNTQJ7V/