自身の健康に自信を抱く。そんな健やかな健康観にとって、日々の睡眠はとっても重要です。特に冬場は寒かったり、元々冷えやすい体質だったりするので十分に温かくしてぐっすり眠りたい…。
毛布の掛け方や布団の敷き方・掛け方一つで暖かさは全然違ってきたりして、自分にとって最も良い眠り方は自分で見つけるしかありません。いつも「寒い、寒い」と思いながら寝ているなら、1週間くらいかけて実験的に色々と試してみることをオススメします。
だ~がしかし、だがしかし。
実は寒い冬場の寝苦しさ、不眠の悩みには
- 暑すぎて眠れない!
- 熱い!寝汗やばい!
- 寝ている内に暑くなって布団を蹴飛ばしちゃった後、すっごく身体が冷える…
といった声からもわかるように、寒いはずの季節なのに逆に暑すぎて寝付きが悪い、眠りが浅い、目が覚めるといったものが結構あったりして難儀なことです。
小学校時代の友人の話
小学生の頃、そんな話を友人に聞きました。これは生まれたばかりの赤ん坊とちょっぴり過保護な両親の笑い話…かもしれませんが、多くの大人が自分自身を大切にするあまりこの話と同様に自らに苦行を課している、課し続けているのだとしたら笑って見過ごすことは出来ません。
子育て中の皆様
冬だからと厚着にし過ぎて子供を汗まみれにすることはありません。子どもって、結構暑がりなんです。代謝が良いので。
大人の勝手な判断は一旦脇に追いやり、実際にお子さんがどんな反応をしているかじっくり観察(あるいは聞いてみたり)しながら防寒具合を調節してあげてくださいね。
特に寝巻・パジャマは薄手でも大丈夫だと思いますよ。
一番簡単な解決策
当記事では、このあとどんどんと羽毛布団熱過ぎ問題について解説していきますが、
と言う方には、ひとつオススメの方法があります。
足先を出して眠る
そう、足先だけを布団から出して眠りましょう。
いつも縦向きに被っている布団を横向きにして長さ調節しても良いでしょうし、足元だけ折りたたんで足を出してみても良いでしょう。
とにかく、裸足で眠る。足先を出して眠る。
ちょっと寝入りばなは寒いかもしれませんし、なんなら足下に薄いタオルくらいかけても良いでしょうが、羽毛布団を全身に被って眠ると暑すぎるなと感じているならカラダの末端部分に熱の逃げ場を作ってやるべきです。
今宵、足先を布団から出して眠ってみるという実験を行い、それでもだめなら以下の記事を読んでみるのも悪くないかもしれません。
いやもちろん、今から読んで頂ければ大変にありがたいのですが。
布団内の温度を変えるもの
さて、布団の中が暑すぎて寝汗がひどかったり不眠気味なら色々と適切な温度を保つため試行錯誤されているかと思いますが、実に様々な要素が布団内温度には関わっていることをご存知でしょうか?
ベッドか布団か、独りか二人か、寝具はどんなものか、床はフローリングか畳か、就寝時の衣服はどうしているか、などなど。
ここで一つ大事なことは、ふとんの外の室温はそれほど重要ではなく布団内に目を向けて改善を試みるべきだということです。
今回はどんな人やパターンでも参考になる「掛布団」について、特に日本の冬の必需品とされる「羽毛掛け布団」について熱さを適切に管理する方策を考えてみましょう。
現実主義でいこう!
ちょいと話が逸れますが、あなたの頭の中には常識や理想や先入観や思い込みといったものがたくさん埋め込まれています。
「冬なのに暑い」を言い換えれば、「冬(だから気温が低いしきっと寒いはず)なのに暑い」などなど。
「なのに」に代表される逆接のことばの前半部分には、あなたが勝手に思い描いた先入観の世界が現れます。
反対に、逆接の接続詞の後半部分には、あなたの感覚が描く現実の世界が如実に現れます。
実のところ、悩みを解消するためには先入観や思い込みではなく、後者の「感覚」と「現実」を大事に尊重することから始めなければなりません。
現実は「暑い」のだ、と。
悩みを根本的に解消してくれる対策を練るには、実感に寄り添った方法を選択しましょう。
インターネットでは知り得ぬこと
「どんな布団が良い布団?」
そんな疑問を抱いたら兎にも角にもYahoo!やGoogleで検索、検索ぅ!欲しい情報は何だってインターネットで訊けば答えが返ってくるんだから便利な時代よねってことで、あらゆる悩みを即座に解消したがる皆様、ちょいとお待ちを。
冬場の布団内の快適睡眠温度が32~33℃で湿度は50%くらいで…といった情報をネット上で拾ってきたからといってあなたの眠りが改善されることはありません。
今の眠りに不満があるのなら、あなた自身でそれを解消する実験を続けなければなりません。「暑い!寝汗がひどい!寝苦しい!」と感じられるなら、毛布を一枚外してみたり、薄い布団に交換してみたり。実際に試して体感してみないことには分からない事柄はたくさん存在しています。
もちろんインターネット上の有益な情報に基づいて実験計画を練る、というのは大変有意義なことではありますけれども。
インターネットだからこそ知り得ること
一般にはあんまり知られていない専門的な事柄を専門家が解説してくれる、冬場の布団の暑さ対策に有益な情報を布団屋さんのブログから拾ってみました。
- 真冬でも“肌掛け”の薄手の羽毛布団で十分暖かい。
- 見るからに暖かそう!と感じる分厚い“合掛け”の羽毛布団は暑すぎる。
- 冬だと布団に入りたては寒いと感じるくらいが丁度良い。後で温もってくる。
- 厚い布団が良い布団という観念は綿布団に当てはまるが、羽毛布団には当てはまらない。
- 羽毛布団は「とても軽く、かなり薄いのに、すっごく温かい!(けど、ちょっと高い)」もの。
(参照:『実は日本の羽毛ふとんは厚(暑)すぎる?|そのベッド、寝心地はどうですか?』、『肌掛けふとんを2枚重ねる、という合理的な選択|そのベッド、寝心地はどうですか?』)
寒い寒いと思い込んで厚着して重ね着して眠ろうと心がけているのに、何だか暑くてよく眠れない方は読んでみると楽しいかも?…と書いていたのですが、2015年10月現在、上記サイトにアクセスできなくなってしまいました。残念。
入眠時は体温が低下
睡眠時には体温が下がります。逆に言えば、体温が下がらなければ寝入ることは難しいのです。しかし実感されることとは反対に、体温が下がる時には手足がポカポカと温かくなります。
手先、足先から熱を逃がしているためです。
手先や足先が温かいと、身体の中心部では体温が下がります。また汗をかいて蒸発熱・気化熱により体温を下げようとします。
適切に汗を逃しつつ、熱を含んだ蒸気を捉えて後々冷えすぎないように調節する。羽毛布団の良さは、鳥が進化的に求めたこの機能を人のために備えている点にあります。
重ね着し過ぎると、この機能を有効に活用することができません。
頭寒足熱
頭寒足熱(ずかん・そくねつ)という言葉があって、「頭を冷やし、足を暖めること。よく眠れ、健康によいという。」みたいな意味と解されることもありますが、本記事をご覧の方は注意が必要です。
就寝時の足先は、冷えてナンボ。
寝る体勢になると血が足先まで巡って暖かくなるのは、熱を逃がすためです。間違っても外から熱を加えて(湯たんぽやカイロなど)温めてはいけません。
適切に熱が逃げる状態を作ってやりましょう。
プラセボのブログで布団の話?
上記記事でも仮説として紹介されていますが、「厚い布団が良い布団!」という常識というか一般通念がありまして、実際に布団屋さんに行ってみれば「厚い布団 = 高い布団」で何だか良さげ?みたいな印象を受けます。
しかし、「厚い布団 = 暑い布団」であることもまた事実。
こちらの製品のカスタマーレビューには「何これ、薄すぎ!ダマサレタ!」みたいな低評価が付いていますが、一度でも実際に使って寝てみたのでしょうか?
確かにふとんの側生地から透けて見える羽毛の量がとっても少なくて(全然入ってないように見える)、こりゃいかんと思われても仕方ないのかもしれませんが、見た目で判断してその効果の有り無しまで決定してしまう、思い込んでしまうというのは何だかプラセボ効果的だなと面白かったり。
むちゃくちゃ分厚い羽毛布団に替えてこちらの羽毛肌布団を実際に使ってみて思うのは、十分に暖かいってことです。室温10℃くらいだとこれ一枚でも寝汗をかいたりしてまだ暑いかなと思われるくらいには暖かい。寒いなと思われたら、上から毛布を一枚重ねてみられることをオススメします。
布団は見た目が9割?いえいえ、あなたの睡眠に適した温度はペラッペラに見えるその肌掛け羽毛布団とあり得ないほどの薄着がもたらしてくれるかもしれません。くれぐれも、思い込みだけで判断されませぬよう。
布団カバーにも気を付けて
実は、布団カバーも布団内の温度・湿度に大きな影響を与えます。上で紹介した羽毛肌布団にいくつかの布団カバーを組み合わせて実験してみましたので以下に報告。
- カバーなし:寒い。朝方足先が冷えて不快。
- ポリエステル、綿混紡:暑い。湿気がこもる。
- 綿100%:暖かい。朝方に冷えることもない。快適!
素材に注目して試してみた結果、羽毛布団にもっとも合うのは綿素材の布団カバーでした。快適な寝具、就寝環境をお求めの方は是非ご自身で色々と試してみてください。
適切な温度環境での快適な睡眠がもたらす爽快感。
色々な商品を試すのは金銭的にちょっと…思われるかもしれませんが、人生の3分の1を費やす睡眠時間を快適にすることは人生を充実させることに直結します。
充実した人生と快適な睡眠を得るための積極的な「投資」だと考えれば、悪い買い物ではありません。ぜひご自身で試してみてください。
取り敢えず、薄着してみる?
布団だけでなく、着るものを一枚少なくするとか、薄手のものに換えるとか。
案外「冬だからコレ」みたいな定番の厚手の寝巻にこだわってしまいがちですが、先入観を捨てて感覚に正直になりましょう。
布団に入ってすぐはひんやりするくらい、を目安に。
安心してください。その寒気は2~3分で、自分の体温で温められどこかへ消えてしまいますよ。
実験の追記
睡眠は大事。睡眠には投資は惜しみたくないってことで東京西川のちょっといいマットレスに寝ているのですが。
さらに言えば、すのこマットを敷いているのです。フローリングの上に。
ベッド派の方には分からないかもしれませんが、直引きするとすごく寒いので。ただ、すのこ+マットレスに毛布を使うとすごく熱い。
薄手のマット用シーツに、上記のうすーい掛布団を掛けるくらいでちょうどいいかなと。
上半身も下半身も、下着みたいな薄いものだけ。
あえて、寝入りの際には寒く感じるくらいで後々ちょうどいい。
暖房なしで室温10℃以上が維持できる一地方の一サンプルとして提示しておきます。
皆様方におかれましては、ぜひ「ちょっとやりすぎかな?」くらいの涼しい格好で夜を過してみられることをオススメします。