子供が咳き込んでとても寝づらそうだ、と思われたらどうしていますか?
病院に連れて行こうにもあいにく今は夜中だし、何とか今夜だけでも症状を軽く少しでも楽に眠れるようにしてあげることが出来たら…。
プラセボ療法の価値
アメリカの小児科医の報告によれば、「注意深く見守るだけよりも、何らかのプラセボ処置を取った方が症状は軽くなる」みたい。
当研究においては、アガベ・シロップかとろみと風味をつけた砂糖水を親がこどもに与えることで、せき症状と睡眠状況が改善したと報告されています。
ただ見守るだけよりも、何かをした方が絶対に良い。そのような観点から、子供の咳が気になったときに与えやすいものを考えてみました。
咳止めシロップ、はちみつは要注意
こどもの咳症状に対して様々なせき止めシロップが販売されていますが、当ブログにおいてこのような対症療法薬をオススメすることはありません。価値観・健康観の違いと言うことで事情をご賢察ください。
また、海外では咳止めとしてハチミツが一般的に用いられているようですが、上記論文でも言及されていた通り、1歳以下の乳児はボツリヌス菌症の可能性があるため使用できません。
自然系シロップ
そこで、代替品として用いられたのがアガベ・シロップです。竜舌蘭(リュウゼツラン)という植物の花茎の蜜であるアガベ・シロップはとろみのある甘味料として通販等で手に入れることができます。
アガベ・シロップにはもちろん鎮咳成分(=咳を抑える成分)が含まれていません。その意味で、アガベ・シロップもプラセボと言えるでしょう。
おくすりゼリー
現代日本にはとても多くの便利グッズが溢れています。これらを上手く使えば、アガベ・シロップがすぐには手に入らなくともお近くのコンビニやドラッグストアで買える品物で代替できるかもしれません。
おくすりゼリー(パウチ入り)
いちご、ぶどう、すりおろしりんご、ピーチなどお子さんの気に入る味で提供された、ゼリー状のオブラートが販売されています。
お薬の服用が苦手な子供のために、ゼリーで包んで飲みやすくするという用途で開発された製品のようですが、これに何のくすりも加えずにプラセボとして使ってみてはいかがでしょうか?
もちろん、「これでコンコンちょっとよくなるからね…」といったささやかなウソは必要でしょうけれども…。
おくすりゼリー(顆粒)
水で溶いてその場で作るタイプのものも、ゼリー状のオブラートとして販売されています。
パウチ入りは多すぎて使い切れないといった場合に好んで使われているようですが、プラセボ的観点からも一つの利点があります。
ひと手間加えてゼリーを作らなければならないということです。
なぜ面倒が利点になるのでしょうか?
それは、ひと手間加えるという作業が儀式として働くからです。愛情を込めることができる、と言い換えても良いかもしれません。
そのような気遣い、心遣いは子供にも伝わるのではないかと思います。プラセボ効果も出やすくなる…かもしれません。
儀式的気分を高めるなら
プラセボ効果は科学的に説明できない効果であり、本当のところは何がどう人体に影響しているのか分かっていません。
ですので、どうすればプラセボ効果が現れたりその効果が高まったりするのかは分からないというしかありません。
しかし一説には、適切な処置を受けているという思い込みが重要であるとも言われています。そうした思いを強くさせることには意味があるのかもしれません。
ゼリーをパウチから出して与えるだけより、顆粒に水を加えてスプーンでかき混ぜながら溶かすという作業をお子さんと一緒にすることがそうした気分に影響を与えてくれます。
何事かのおまじないでも唱えながら(「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン…」)砂糖の一つまみでも加えれば、さらに儀式的気分を高めることもできます。
砂糖やシナモンなど甘みのあるもの、逆に苦いもの、あるいは炭酸水やレモン果汁などを用いてバリエーションをつくることだってできます。思わせぶりに息をフッと吹きかける、なんてのも使えるかも?
込めた想いは、きっと伝わるはず。
注意点
本記事では、プラセボによる咳症状の改善策として海外の研究論文で示されていたものを現代日本風にアレンジした方法を紹介しております。
その意味で、せき症状の軽快に対して直接的な医学的根拠があるわけではありません。
また、一般的に風邪(かぜ)と呼ばれる病状に伴う症状としての咳を主な対象としています。肺炎などによって起こる咳に対しては、その他のより有効な治療法があると思われますので医療機関にご相談ください。